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萩広史のデザインするバッグについて
Tシャツ販売元の会社の熱心なオファーもあり、萩広史はその熱意に負けて最近ではTシャツだけでなくバッグのデザインにも携わることになりました。
Tシャツデザインは、(サイズの差こそあれ)Tシャツという定形のキャンパス上に萩広史の世界観を描くことだけで完成しましたが、バッグのデザインとなるとかなり複雑な要素が絡み合うので、デザインを手がけ始めた当初は大変苦戦して、苦手意識を持っていました。というのはバッグの形状はセカンドバック・ハンドバッグ・トートバッグ・ポーチなど数え切れないほどあって定形といったものはほぼありませんし、その収納性や機能性・素材から形まで様々な個性があり、それらの個性を生かした上でいかにデザインを効果的に乗せるかというコツを掴むことが大変難しかったのです。
萩広史は非常に負けず嫌いの性格なので、どうにかしてこの苦手意識を克服しようと考え、美大生仲間にアドバイスを求めたりバッグのデザインの歴史について学ぶことを始めました。
努力するうちに、素材(革製品・プラスチック製品・帆布など)ごとの特徴やそれに合ったデザインの適性の知識を得ることが出来、次第に素材や形状の異なるバッグそれぞれに効果的なデザインを行うということが楽しくなっていきました。いったんコツを掴むと、発想力に非常に秀でた萩広史の頭の中ではアイデアが次々に出てくるようになって、その多くが商品化して一定の評価を得られることになりました。
中でも販売中のTシャツとデザインをリンクさせた帆布製のトートバッグは若者を中心に大変好評で、萩広史が販売を委託する会社のバッグ売上ランキングで上位に食い込む商品となったこともありました。
バッグのデザインスキルに関しては萩広史の中ではまだまだ発展途上だと思っているので、今後もトレンドを分析したり、日々勉強を怠らないようにしようと考えているようです。
バッグのデザインを通して得た知識と経験が、結果としてTシャツをデザインする上でも生かされることになったのも、萩広史にとって嬉しいことでした。
素材の風合いによって同じデザインでも印象が大きく変わるということは、Tシャツデザインだけを手がけていた頃には考えてもみないことでした。
そのことに気づいてからTシャツの素材についてもこだわり始めるようになり、麻を織り交ぜた和テイストの素材のTシャツへのデザインも始めるようになり、それも好評を得ることとなりました。